HOW TO 講座

髪を傷める原因について

いまさらですが、髪の毛を痛める原因で一番ウエイトが高いものが何かご存知でしょうか?

パーマ、茶髪、シャンプー、ドライヤー、紫外線・・色々挙げられると思います。

この中でも一番の原因は「髪をのばすこと」なんですね。

なぜ、物理的や化学的なダメージより、髪をのばすことが問題になるのか考えてみましょう。
髪の毛に化学的に傷をつけるのは、パーマや毛染め、ブリーチが一番のダメージの原因となります。

パーマは髪の毛を構成しているアミノ酸同士の結合を断ち切って、カールした状態で再結合することで髪型を維持します。髪の毛のアミノ酸レベルで手を加えるから、1ヶ月程度はウェーブがかかった状態を維持できるわけです。

当然、パーマをかけるときにアミノ酸をきるほどのダメージを与えますので、特に髪の表面が傷んでしまいます。

毛染めについても髪を傷める原因となります。
毛を染めるメカニズムは、髪の表面に色がつくヘアマニュキアと髪の毛の中に浸透して、内部で発色する一般的な毛染剤では違いますが、痛める原因になるのは毛染剤の方が大きいです。

毛染めというのは、非常に小さな色素分子が髪の毛の中に入り込んでそれが過酸化水素によって酸化されて大きな分子となって髪の毛の中で色がついていきます。
ちなみに髪の毛のメラニンも同じように髪の表面ではなくて中にあります。

毛染めやブリーチの問題は過酸化水素などの酸化剤を使用することで、髪の毛を構成しているアミノ酸を酸化して脆くするので、表面のキューティクルといううろこ状の部分が剥がれていきます。

気をつけていただきたいのは、毛染めやブリーチは長い時間放置すればそれだけよく色が定着したり、脱色できたりするように思われますが、実際は髪の毛が脆くなっていくので、髪の毛が途中で切れる切れ毛の原因になっていきます。

つまりパーマにしても毛染め、ブリーチにしても髪表面のキューティクルにダメージを与えることで、部分的にキューティクルがめくれたりはがれたりして、そこから内部の保湿成分が抜け落ちるわけです。

ちょうどりんごの皮をいくつも傷つけて放置していけば、りんごがしなびていくように髪の毛も内部が乾燥していきます。

よくしっとりした髪とかまとまりやすい髪とか表現されますが、ああいう髪の毛は水分を適度に含んでいる状態です。

水分が少ないとぱさついて、髪の毛はまとまりにくくなり、キューティクルがめくれてはがれやすくなります。こういう状態でブラッシングしすぎると、さらに髪を痛めつける原因となります。

さて、化学的に髪を傷める原因は、上記の通りですが物理的に髪の毛を痛める原因というのは、何だと思われますか?

髪の毛が傷つくのは、やはり髪の毛が弱くなっている時で、それはどういう時かというと、髪の毛が濡れている状態です。

人間の髪の毛は濡れると蛋白質から出来ていますので、水分を吸うと、摩擦の力に非常に弱くなります。

たとえば足のかかとの皮膚は乾燥すると硬くなり、擦っても皮はなかなか捲れませんが、水に濡らすと簡単に皮を擦りとることができます。

髪の毛も同じケラチン蛋白質から出来ていますので、濡れているときは摩擦に弱くなり、ブラッシングやタオルドライでもキューティクルを傷つける原因となります。
タオルドライの基本は、タオルを髪の毛に押し付けながら乾かすということで、たとえば髪の毛に沿って上から下にタオルを動かしながら乾かすとキューティクルを擦り落とすことになりますので、髪の毛を痛めます。

また、摩擦による痛みが特に大きくなるのは、髪の毛を乾かさずに寝るときで枕と頭の間に挟まった髪の毛が摩擦によりキューティクルが剥げ痛みが大きくなります。

さて、髪の毛を痛める原因をいくつか挙げましたが、髪の長さとの関係は、髪が長いほど、化学的、物理的刺激を繰り返し与えられることに尽きます。

髪の毛が一月に1cm伸びるとすると、70cmのロングヘアなら、毎月ブリーチや毛染めパーマをかけると70回もの負担になりますし、髪の毛を乾かずに寝ていたら、これも大きな負担となります。

毛先が痛むのも当然ですし、髪の毛には肌と違って自己修復機能がない分、痛めたら痛みが進むことがあっても治ることはありません。

髪の毛に白髪が混ざると色のバランスが崩れて年齢を感じさせる要因となり、毛染めでの対応が必要となりますが、必要以上に毛染めの放置時間を伸ばしたりすることないようにすることが大切です。

髪の毛の補修剤も色々ありますが、完全に元に戻るわけではありませんので、日ごろのケアの積み重ねが重要となります。