HOW TO 講座

しみをつくる化粧品・・・

● しみになる成分って、本当にあるんでしょうか?

通常、植物エキスは抗酸化成分ですので、しみの原因にはなりにくいものです。
メラニンが出来るためには、酸化重合という過程が必要なのですが、抗酸化剤は、酸化重合を邪魔します。

しかしながら、一部の成分はメラニン生産を促すことがわかっています。
それは石鹸などの原料となる脂肪酸です。
ただし、すべての脂肪酸がメラニン生産を促すわけではありません。
ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸のような飽和脂肪酸がメラニン生産を促し、オレイン酸やリノール酸はメラニン生産を抑制します。

特にリノール酸は薬用美白化粧品の主剤として認められているほど、美白効果があるものです。

下に農林水産省食品総合研究所食品機能部機能成分研究室でのメラニンを作る培養細胞を使用した美白試験の結果を示します。同じようなデータは他の研究者からも出されており、普遍的なデータです。(フレグランスジャーナル 1997年9月号p68)

脂肪酸によるメラニン産出・抑制効果

何も加えない対象に対して、ミリスチン酸、パルミチン酸がメラニン産出を強く促していることがわかります。
もちろん培養細胞のデータですので、そのまま人に当てはまるわけではないですが、リノール酸は美白効果を国から認められましたし、単なる培養細胞だけのデータとも言えないでしょう。

通常、飽和脂肪酸は化粧品に配合されることはありません。
昔は、ステアリン酸が石鹸クリームに乳化剤として使用されていましたが、今はほとんど使われません。ちなみに石鹸で体あらっても脂肪酸は肌に問題になるほど残ることはありませんので、ご安心ください。

しみを減らす成分があれば、しみを増やす成分もあるもの。
飽和脂肪酸は人間の体にいくらでもある成分ですが、人間の体の基本は低コストで出来ているということで、1つの成分がいくつもの細胞に生理効果を発揮することが多いです。
脂肪酸についてもメラニンを増やすスイッチになったり、その逆にもなるので、顔につけるものには吟味が必要ですね。