HOW TO 講座

お医者さんによるしわ治療1(メルマガより)

最近の皮膚学会はケミカルピーリングやレーザーを使った発表が多くなっていて、なかなか面白くなってきました。しわ治療というと、いろいろなアプローチがありますが化粧品ではレチノールが有名で海外で使われているレチノイン酸を個人輸入して 使われている方もおられるかもしれません。その他、ケミカルピーリングやコラーゲン及びヒアルロン酸注入、ボトックス(ボツリヌス毒素)、そしてレーザーがあります。

これらの医学的アプローチによるそれぞれの短所は、

  1. レチノイン酸は刺激が強すぎて、効果より刺激感が強くて長続きしない。
  2. ケミカルピーリングも刺激が強すぎて、しみができたりする場合がある。
  3. コラーゲンは数パーセントの人でアレルギー反応がでる場合がありまた、効果は数ヶ月しかもたない。
  4. ヒアルロン酸はアレルギー反応は心配ないが、予期せぬ凸凹が 出現して、しかも数ヶ月はその状態が持続する。
  5. ボトックスは筋肉に対して効果が強すぎて、笑っているのか喜怒哀楽のない顔になってしまう。
  6. レーザーは施術する人間の技術に結果が左右される。

以上の点が上げられるでしょう。

● レチノイン酸

レチノイン酸というのは、ビタミンAやベータカロチンから合成される物質で 細胞の成長に欠かせない物質です。もともとニキビ治療に使われている時にしわへの効果が発見され、そして医学的な効果がはっきしたので、アメリカの食品衛生局から承認され、しわ治療剤として健康保険の 対象となっています。ただ、日本人の肌には刺激が強すぎて、肌荒れを起こすので許可されていません。

● ケミカルピーリング

ピーリングというのは、皮を剥いで新しい皮膚を再生されることです。 ニキビには効果大なのですが、皮膚を薬品で溶かすということは、 敏感肌の方にはとてもお勧めできない方法です。ほんの軽いしわはとれますが、少し深いしわになると、 ピーリングを深くする必要があるため、肌が強い人でも日本人の肌質では しみができやすいとされています。

● コラーゲン注入・ヒアルロン酸注入

化粧品でコラーゲンを増やすというの1つの売り文句ですが、1~数年かかって増やすだけのコラーゲン・ヒアルロン酸を一回の注入で肌の中に入れてしまうのが特徴です。 ただし、深いしわの場合は何度も入れる必要があり、ニキビのえぐったようなクレーターには効果が弱いです。ちなみに注入する量というのはちょっと難しく 少ないと効かないし、多いと皮膚が部分的に白くなり、単に注入すればよいというものではありません。コラーゲンの場合は、アレルギーがありますので、その問題を解決したのがヒアルロン酸となります。ただし、数ヶ月でお肌の中で分解されますので、3,4ヶ月毎に注入する必要があります。お金持ち向きですね。

● ボトックス注入

笑った時にできるしわや眉をひそめたときにできるしわ、その他顔の表情を変えた時にできるしわに対しては絶大な効果があります。しわの原因となる筋肉を緩めて効果を発揮します。食中毒菌であるボツリヌス菌毒素を使うわけですが、あまりボトックスを注入しすぎると筋肉が動かず表情が作れないので、楽しいときに笑えないというデメリットもあります。 年に1~2回注入する必要がありますが、体はこの毒素に対抗して無力化させる物質を作ろうとします。つまり、このボトックス注入というのは、免疫力が強いつまり風邪を引いてもすぐに治る人などは、体が毒素を無毒化する物質(抗体)を早い目に作ってしまうので効果はそれで終わりとなり元に戻ります。予防接種は菌の毒素や弱めたウィルスを注射して抗体を体に作らせますが、あれと同様のことが起こり、ボトックスの効果が消え去るとお考えください。

● レーザー

レーザーは現在クールタッチ、IPL、N-LIGHT他いろいろありますが、主にしわにはクールタッチやN-LIGHが使われます。いずれもレーザーメーカーの商品名です レーザーは一回の照射エネルギーが高いしみになる可能性があるので何回も照射する必要があります。

● ダウンタイム

医学的アプローチでは効果を追求するあまりにお肌に負担を かける方法をとりますのでダウンタイムといって、お化粧ができず場合によっては、顔が腫れ上がって とても外出できなくなる場合があります。ダウンタイムができるのは、ケミカルピーリングや コラーゲン、ヒアルロン酸、ボトックス注入などです。そのため、仕事を持っているOLや主婦の方がこれらの治療を受けるときに、このダウンタイムがネックとなります。金曜日の夕方に施術を受けて、月曜の朝にお肌が回復しているとは 限らないのです。とくにボトックスは眼瞼下垂といって、筋肉に効きすぎてまぶたがあがらなくなり、半分目をつぶったようなとてもお化粧ではカバーできない状態に なるので、万が一のことを考えておく必要があります。
ちなみに化粧品にはケミカルピーリング効果を標榜するものがありますが、ほとんど効果は期待できません。効果が期待できるものは 肌を荒らすということですし、そんな化粧品を発売すればクレームの嵐で、消費者団体から猛烈な攻撃を受けることでしょう。